いまはこんなに

全然意識していなくてもいつの間にか歳を取っている。引きこもりにも誕生日は来る。甲子園球児たちが自分より歳下になったとき、時間がちゃんと流れていることを感じた。出場校に馴染みない高校名が並んでいるのを見てついに世代まで変わったらしいことを知る。ゼロ年代って80.90年代と比べて地味だ。それにもう10年代も終わりかけている。それでもこの期間で野球は着実に進化し続けたらしい。球速とかトレーニングの効率化とか新しいスター選手の登場とか。それに合わせてファン層も変わった。汚い球場で弱い贔屓チームに泥酔しながら野次ったり試合そっちのけでガラガラの応援席に寝そべったりしていた愛すべきおっさんたち。彼らはいつのまにか消えてしまった。というか時代がそんなおっさんたちを愛すべき存在では無くした。選手たちは高齢化したけれど、昔と違ってみんな模範的で優しいお父さんみたいに善良だ。野球そのものが啓蒙されて近代化したともいえる。取り残された者が老害扱いされるのが昨今。そんな元おっさんたちに日曜の朝だけ張本と金田が優しく寄り添っている。中島みゆきが歌う「時代」がサンモニのBGMに相応しいと俺は思う。